視野を広げる: 資産クラスとして成熟しつつあるインフラストラクチャーには、新たな発想が必要

主要なポイント |
投資家は、インフラストラクチャーへの投資機会を「コア資産」に限定して捉えるのではなく、リスク・エクスポージャーとリターン特性の観点から検討する必要があります。 |
投資先企業に対して積極的な関与を行うアクティブマネジャーは、独自の案件形成を通じて資産を拡大し、選択的な設備投資を実行することで、追加的なリターンを追求することが可能となります。 |
テーマ性のある投資や開発中の資産、あるいは従来のインフラストラクチャー分野に隣接する領域への投資機会が増加しており、これらは、より高いリターンや付加価値の創出につながる可能性を提供します。 |
はじめに
何十年もの間、インフラストラクチャーは信頼性が高く均質な資産クラスと見なされ、空港、有料道路、公益事業は機関投資家のエクスポージャーの要でした。30年前にスーパーアニュエーション(退職年金基金)がインフラ投資を開始したオーストラリアでは、国内で最も利用されている空港・海運港の多くで長期的なオーナーシップの恩恵を受けてきました。 彼らのバイ・アンド・ホールドのアプローチは、今や世界中の政府が模倣すべきモデルとして注目されています。
しかし、インフラ資産クラスが成熟し、機関投資家の関心が引き続き高まる中、インフラストラクチャーを単一のセクターとして捉える考え方から脱却すべき時が来ています。その代わりに、リスク、投資対象セクター、資産の独自のリターン特性の観点から機会を検討すべきです。
バラスト(安定性)および浮力としてのインフラストラクチャー
インフラストラクチャーの成熟は、革命というよりも進化といえます。キャッシュフローを生み出し、実物資産に裏付けされた、社会的に不可欠で代替が困難であり、参入障壁が高く競争が少ないという、資産クラスの基本的な特徴は変わりません。インフラストラクチャーを船舶用語で表現すると、バラスト(安定性を提供する重り)であり浮力を提供する役割も担います。バラストは回復力と安定性を、浮力はポートフォリオの成果を支えるリターンの可能性を提供します。インフラ資産は社会の機能維持に不可欠であり、そのため回復力があります。利用者は、経済状況に関係なく、港湾で輸送される貨物や公益事業者が提供する水に依存しています。 インフラ・エクイティもインフラ・デットも投資家を惹きつけるバラストと浮力を提供することができます。
しかし、この分野が成熟するにつれ、もはやその進化するダイナミクスを反映しなくなった既存の分類から離れ始めることが可能になってきます。従来、有料道路や空港は、コア・インフラ資産と見なされてきました。今日では、特定のセクターの観点からインフラストラクチャーを考える方がより有益です。例えば、交通、社会、エネルギーインフラ、公益事業のどこに投資を配分すべきかといった観点です。
詳細については、レポート全文をご覧ください。 インフラ投資の未来展望:インフラストラクチャー投資の未来を左右する要因。
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